【wahnsinnig】

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※悪い男 3

 ゴトンと音を立てて床に落ちたプラスチック製の機械がイルカの視線の先に転がって来た。
 丸みを帯びた先端がぬらぬらとしたもので濡れている。
 ぼんやりとそれを見つめていたイルカの目の前に手甲を嵌めた白い手が現れ、びくりと身体を震わせる。
 おそるおそる視線をカカシへ向けると、カカシは無言で泥と涙で汚れたイルカの頬を拭う。
「……どうしてだろうねぇ」
「…カカシ、さん…?」
「アンタ、危機感ないし…鈍そうだから、ちょっとした意地悪のつもりだったんだけどなぁ……」
 少し困ったような表情でカカシはイルカの頬を撫でてから、足首に絡まったままだったズボンと下着を全て抜きさる。
「ちょ、待っ……っ」
 ぬるつく液体が尻の狭間に垂らされ、カカシの指が再び後ろの孔に触れた。
「……あっ!………」
 散々、指や道具で弄られた所為か、熱を持ったそこはカカシの指を阻むことなく中へと誘う。
 くちゅくちゅという水音が聞こえ、イルカは羞恥に頬を染める。
「そんな可愛い反応しちゃって…」
「……え…?」
「誰にでもこんな反応しちゃうの?駄目でしょ、それは……」
 指が離れてほっとしたのもつかの間、片足を掴まれたかと思うと、ぐるりと身体を仰向けに返される。
「あっ…?……」
 そのままぐっと引き寄せられて、両足を大きく開かされた。
「な、に……ひっ……」
  何事かとカカシを見たイルカは、目に映った光景に息を呑む。
 閉じられないように身体を足の間へ割り込ませたカカシが、ズボンの前を寛げて己の性器を取り出していたのだ。
 赤黒い性器は同性であるイルカから見ても大きく、恐れを抱くには十分な質量を持っていた。
 慌てて身を捩るが、それを阻むようにカカシはイルカの腰を掴んで体重をかけてくる。
「……怖い?」
「…………っ」
 ガクガクと何度も頷くと、カカシは口布を下ろしながら目を細めて唇を舐めた。
 まるで肉食獣が獲物を前に舌なめずりする様を連想させる。今まで味わったことのない恐怖にイルカの身体は益々震えた。
「ま、怖がるなって言う方が無茶だよね」
 カカシの顔が近付き、イルカの唇を舐めた。
「……男なんてごめんだと思ってたんだけどねぇ」
 下唇を柔らかく食んでカカシは僅かに開いた隙間に舌を這わせる。
「……んっ、……んぅ…」
「…ね、…入れるよ」
「……ふぁ…?……あっ、…っ!!」
 進入する舌を必死になって拒もうとしていたイルカは、下肢に対する警戒が疎かになっていた。それを狙っての行為だったかは分からないが、カカシは取り出した性器の切っ先を赤く熟れた粘膜に宛がうと、一気に押し込める。
「ぐ………っ!」
「ごめん、力抜いて……」
 少し辛そうなカカシの声が耳に届く。
「む、…無理…」
 これはもう痛いというレベルではない。
 焼け付くような熱さと内臓が競りあがるような圧迫感にイルカは戦慄くことしか出来なかった。
「…くっ……」
「きつ……」
 力を抜けと言われても、はいそうですか、と抜けるものでもない。
 カカシもそれは分かっているのだろう。息を詰め、ぴったりと身体を密着させて動きを止めた。
 そのことにほっとしたものの、繋がった箇所の痛みがなくなるわけもなく。イルカは情けない気持ちになりながら、ヒィヒィとか細く息を吐く。
「…くる…し……」
 下肢の痛みも相当だが、仰向けになったことで縛られたままの指にも負荷がかかってジンジンとした痛みを訴える。
「ああ…そうか。ごめんね、忘れてた」
「あっ!…つっ!」
 背中にカカシの手が回り、プツリという音とともに指の痛みが消え失せた。
「どう?…楽になった?」
「は…い」
「ん。…ごめんね…」
 優しく髪を撫でられ、今の状況を一瞬忘れそうになる。
「もうちょっと頑張ってね」
「あ、…やっ」
 声をかけてカカシが止めていた動きを再開する。
「っ、やだっ、ま、…待って、…むりっ…」
「力抜いて。大丈夫、先っぽが入れば全部入るから」
 ということは、まだ全部ではないのか。
 逃れようともがくイルカを押さえ込んだまま、カカシが更に奥へと腰を進めた。
「もう、やだっ、……やあっ…、カカシ、さん、…ゆるして……お願…」
 進入を許してしまった今、逃げることも出来ない。かといって、これ以上入れられるのも怖くてイルカは目の前のカカシに縋るように許しを請う。
「………すごいな」
 喘ぎながら涙を流すイルカの耳には届かなかったが、感じ入ったような声でカカシが呟く。
「あっ、…やあ!…やだ、ゆるして…っ」
 イルカの訴えは聞き入れられることなく、二度、三度と腰を打ち付けられる。
「あっ…ああああっ!」
「入った…」
 言われなくても尻に当たる感触で分かる。
 限界までに広がった孔だけではなく、腹の中まで熱くて、まさに串刺しにされた状態だった。
「もう、…だめ、ゆるして……」
「…まだ、駄目」
 カカシの言葉にぶわりと涙が溢れる。
「いたい、もう、やだ…抜いて…いたい」
「……アンタねぇ…何で、そんなに可愛いかなぁ…」
 子供返りしたように泣きじゃくり、抜いてと懇願するイルカを見下ろし、カカシは吐息混じりにそんなことを言った。
「カ、カカシ…さ…」
「ゆっくり、ね」
 その言葉通り内部の熱棒がゆるやかに動き始める。






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2010.12.22

  • 2010/12/19 (日) 13:28
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    • 三叉路の怪
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    • 真夏のミステリー
    • 月夜の邂逅
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