性質の悪い病
ツイッターの診断メーカーで出たお題から書いてみました。
お題は『緑』『ぬくもり』『流行』です。
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新学期が始まって早々、アカデミーではインフルエンザが流行して学級閉鎖することが決定した。
教師達には予防接種を受けるようにと火影直々に通達されてイルカは昼の休憩時間を利用してしぶしぶ病院へと出向いた。今更予防接種を受けてもと思うのだが、生徒達に移ったらどうすると言われては頷くしかない。
手渡された問診票へ住所氏名・病歴などを書き込んでいると、隣に誰かがやってきた。くすんだ緑色のベストは同業者のものだ。
誰だろうかと何気なく顔をあげると見覚えのある銀髪が目に入る。
「カ、カカシさん?」
「イルカ先生も予防接種?」
そう言ってひらひらと手にした問診票を見せる。どうやらアカデミー教師だけではなく、上忍などにも同様の通達があったらしい。
カカシはイルカの姿が見えたのでわざわざ同じカウンターまで近付いて来たようだった。
「面倒なことさせるよね~」
ぼやきながら文字を埋めていくカカシのぬくもりと匂いを間近に感じて、イルカの体温は急速に上がっていく。
―ああ、ヤバイ。
俺、熱が出て来たかも―
インフルエンザよりも性質の悪い病に、イルカはどうしたもんかと頭を悩ませた。
終
- 2011/01/07 (金) 22:40
- ツイッターお題