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…チラシの裏的な何か…

 火照る (口づけの続編)

カカシとイルカ4歳差、幼馴染設定。



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「任務、ですか…」
「うん。2週間ぐらいかな。五代目も人使いが荒いよね〜」
 アカデミーにいたイルカを捕まえて、これから任務で今すぐ出立する旨を伝えると、イルカは心なしかしょんぼりとした様子で俯いた。
 イルカが俺の誕生日を祝うためにあれこれ準備していたのを知っていたので、悪いなぁと思うと同時に、俺自身も酷くがっかりしていた。何で俺の誕生日に重なるかなぁ。
 一応、ごねたんだけどね〜。「さっさと終わらせればいい話しだろ!」と、どやされ執務室から追い出されてしまった。
 簡単に言ってくれるよね。移動だけで往復6日もかかるというのに。
 一人ならなんとでも出来るけど、今回は小隊を率いて任務にあたらねばならないので、移動速度を早めるにも限界がある。
「なるべく早く帰るからね〜」
 目の前のイルカの頭を撫でながらそう答えると、口を引き結んだイルカがキリッとした表情で俺を見た。
「無理して早く帰ろうとしないで下さい」
 顔を強張らせてイルカがそんなこと言う。

 あらら。
 怒らせちゃったかな?

 イルカは俺が任務で無茶な行動をすることを酷く嫌う。
 以前、早く帰りたいがために帰還予定を大幅に短縮して戻ったことがある。
 三ヶ月はかかるだろうと言われた国境沿いで起こった諍いは、俺が大技を連発して突破口を開いたことで木の葉側の圧勝となった。その結果、木の葉の陣営は一ヶ月ぐらいで里へ帰還することが出来たのだが、俺はチャクラを大量に消費した所為で里に戻ると同時に病院送りになった。
 イルカの誕生日を里で祝いたかったから頑張ったんだけど、結局誕生日当日は俺の病室で過ごす破目となって、イルカからしこたま怒られたのだ。
 ぼろぼろと涙を零すイルカが可哀想で、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
 喜ばせたかっただけなのに、逆に泣かせてしまったのだ。
 イルカを悲しませるのは本意ではないので、俺は何度も謝罪して退院してから暫くはイルカを甘やかして過ごした。しかし、どんなにチャクラを制限しても写輪眼を使わねばならない任務もある。里へ生きて戻るためには出し惜しみなどしている場合ではない。
 イルカもそのあたりの事情は分かっているのだろう。無茶をして怪我をすれば怒りはするが、出立前は無理はするなと言うだけで、それ以上のことは言って来ない。
 俺も口には決して出さなかったが、イルカがアカデミーに配属される前、長期の里外任務に就いていた時は気が気ではなかった。
 イルカまで喪ったら、俺はきっとまともではいられなくなる。
 俺と同等とまでは言わないが、子供の時分に両親を喪ったイルカも同じ気持ちを抱えているのだと思う。

「大丈夫。今回の任務は移動に時間がかかるだけで、任務内容自体は大したことないもん」
「何が、ないもん、だ!そういう考えが油断を招くんだよ!」
 口を尖らせ、イルカが上目遣いで俺を睨む。
 無意識なんだろうけど、口調が砕けたものに変わっている。
「ホントに…無理すんなよ…」
 黒い瞳を潤ませ、イルカが俺のベストの裾をきゅっと掴む。

 うわ!それ反則!
 可愛すぎるから!!

 俺以外の前ではやめて欲しい。
 周囲に人がいなくて本当に良かった。
「うん。分かってる。無理はしない」
 イルカの身体を引き寄せ、ぎゅっと腕の中に抱き込む。
 宥めるように背中を撫で、イルカのこめかみにちゅっと音を立てて口付ける。
「だから、遅くなっても俺の誕生日は祝ってね」
 子供みたいにそう強請ると、イルカはニカリと悪戯っ子みたいな顔で笑うと、「当たり前だ」と言って俺の頬に唇を押しつけた。
 一瞬、何をされたのか理解出来なかった。
 理解すると同時に身体がカーッと熱くなる。
 俺から口付けることはあっても、イルカからなんてもしかしたら初めてじゃないか?
「初物の秋刀魚でお祝いしてやるよ」
「……っ」

 ああ、本当に勘弁して欲しい。
 我慢出来なくなるでしょ。

 行きたくないなぁと思っても俺は骨の髄まで忍だ。使役鳥が上空から俺を呼ぶ。
「じゃあ、行って来ます」
「うん。気をつけて」
 火照る身体を持て余しながら、瞬身を使ってイルカの傍から離れる。


 風を切り、木々を渡りながら想うのはイルカのこと。
 怒られてもいい。早く帰ろう。
 そして、イルカを腕に抱きしめ、この燃え滾るような身体の熱を分け与えるのだ。





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実はまだ清い関係だったりするw





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